ペットとつながる信頼の絆
ホーム
子犬コラム
子猫コラム
お役立ちコンテンツ
垂れた耳が愛らしいスコティッシュフォールドは、近年人気の猫種です。猫を飼うなら垂れ耳の猫がいいと思っている方もいるでしょう。
しかし、垂れ耳の猫には病気のリスクや飼う際の注意点が存在します。当記事では、垂れ耳猫の特徴やかかりやすい病気について解説するため、垂れ耳の猫を家族として迎えようと思っている方はぜひご覧ください。動物を飼うのであれば特徴を知り、家族として猫が健康に暮らせるように心がけることが大切です。
目次
スコティッシュフォールドは、垂れた耳が特徴的な猫種です。耳の垂れ方は個体によって異なり、垂れる度合によって以下の3種類に分けられます。
なお、すべてのスコティッシュフォールドが垂れ耳なのではありません。中には立ち耳タイプの個体もいます。
スコティッシュフォールドのルーツは、1961年にスコットランドの農場で生まれた「スージー」という猫です。スージーは耳が垂れており、スージーが生んだ猫も同じように垂れ耳だったことから、垂れ耳は遺伝すると判明しました。
垂れ耳を持った猫を品種として固定するプロジェクトの過程で、垂れ耳が顕性遺伝(優性遺伝)であることが分かります。顕性遺伝とは、両親から対立する性質を受け継いだとき、片方の形質のみがより強く表れる遺伝様式のことです。反対に、一方の性質に隠れて表出しにくい形質を持つ遺伝様式を潜性遺伝(劣性遺伝)と言います。
垂れ耳は顕性遺伝であり、立ち耳は潜性遺伝です。そのため、両親から「垂れ耳」と「立ち耳」の遺伝子を受け継いだ子には「垂れ耳」が出やすくなります。垂れ耳同士をかけあわせれば、垂れ耳の出現率はより上がります。
ただし、垂れ耳はそもそも耳の軟骨の形成不全であり、遺伝子疾患です。垂れ耳同士で交配することで、重篤な骨の異常を持って生まれるリスクも高まるため、他の猫種との交配が推奨されています。アメリカンショートヘアやブリティッシュショートヘア、エキゾチックショートヘアなどとの交配が進められるうちに、現在のスコティッシュフォールドが生まれました。
スコティッシュフォールドのチャームポイントとなっている垂れ耳は、骨軟骨異形成症による耳の軟骨の形成不全によるものです。骨軟骨異形成症は骨や軟骨に異常が起こる病気で、耳の軟骨が硬くなって垂れることにより垂れ耳の猫となります。
立ち耳のスコティッシュフォールドの場合は、骨軟骨異形成症にならないか、発症しても軽度ですむ傾向があります。
一般に、立ち耳よりも垂れ耳のほうが見た目がかわいいとされ人気なため、垂れ耳が生まれやすくなるよう、垂れ耳同士で交配するブリーダーもいます。しかし、垂れ耳の猫同士の交配は重篤な疾患を持って生まれるリスクも高まります。故意に先天的疾患を持った個体を繁殖させることは近年問題視されているため、今後の状況次第では垂れ耳のスコティッシュフォールドがいなくなるかもしれません。
垂れ耳の猫は、一般的な立ち耳の猫に比べてかかりやすい病気があります。垂れ耳のスコティッシュフォールドを飼う場合は、どのような病気を発症するリスクがあるのかを知っておきましょう。愛猫が健やかに過ごせるように、症状や治療法を理解しておくことが大切です。
スコティッシュフォールドの大きな特徴と言える垂れ耳は、遺伝性疾患である骨軟骨異形成症から来ているものです。骨軟骨異形成症が進行すると、ほかの症状が出る可能性があります。
骨軟骨異形成症の主な症状は、「足首や手首の関節にこぶができて動かしづらくなる」「尾椎(しっぽの骨)が変形する」「関節炎による痛み」などです。骨軟骨異形成症は進行していく病気のため、年を重ねるごとにこぶも大きくなる可能性があります。
完治することはなく、治療方法は鎮痛剤で痛みを抑える対症療法がメインです。重度の場合は、放射線療法や外科手術を行う場合もあります。飼い主は愛猫の様子を観察し、歩き方がおかしくなっている、手足を痛がるなどの異常が見られたらすみやかにかかりつけの動物病院に相談することが大切です。
垂れ耳の場合、外耳炎も発症しやすい病気です。耳は大きく外耳と内耳とに分かれ、間に鼓膜があります。外耳炎は外耳の部分に炎症を起す病気で、主な発症原因は以下の2つです。
スコティッシュフォールドの垂れ耳は、耳垢が外に排出されづらい上、湿気もこもりやすくなり、雑菌が繁殖しやすい環境です。日頃から愛猫の耳を観察して臭いや汚れがないかチェックし、病気の早期発見に努めましょう。
愛猫の耳が濡れているときや汚れているときは、コットンなどの柔らかいもので耳の入り口をそっと拭き取ります。耳掃除をしても汚れが見られるときは、早めに病院で検査を受けることが大切です。
外耳炎になると、耳に痒みや痛み・違和感が生じ、しきりに掻いたり頭を振ったりするようになります。病院では、耳道を掃除して綺麗にし、点耳薬を投与する治療法が一般的です。
スコティッシュフォールドは、穏やかで飼いやすい性格だと言われています。とはいえ、ほかの猫種に比べてかかりやすい病気があるため、その点は注意が必要です。お迎えすると決めたら、たとえ何があっても最後まで責任を持って飼育する覚悟を持ちましょう。
ここでは、スコティッシュフォールドのサイズや性格について解説します。
スコティッシュフォールドの成猫の体長はおよそ60cmほどで、メスよりオスのほうが大きくなる傾向があります。体重はメスが3~5kg、オスが3~6kgほどです。スコティッシュフォールドは手足が短めで丸みのある愛らしい体型をしているため小さく見られがちですが、猫としては平均的なサイズをしています。
生まれたときの体重は、わずか100gほどですが、健康に育てば生後3か月ほどで1kgを超え、半年で2.5kgほどになります。もし太り気味だと感じたら、たくさん遊んで運動させるなどの対策をとってあげましょう。
猫は気ままで自由に動き回る動物というイメージを持つ人も多いでしょう。スコティッシュフォールドは、どちらかというと猫の一般的なイメージからは外れています。性格は穏やかでおとなしく、運動量も少ないため、激しく動き回ることはあまりありません。
甘えん坊で飼い主の姿を見かければすり寄っていったり、後をついて歩いたりと、いつも一緒にいたがる傾向があります。協調性や順応性が高く愛情深いため、人間の赤ちゃんや子どもとも仲良く過ごせます。多頭飼いをしても、ほかの猫とけんかせずうまく暮らせることが多いでしょう。
性格的にも飼いやすい猫種ですが、運動をあまりしないため太りやすい点には注意が必要です。
スコティッシュフォールドに代表される垂れ耳の猫は、かわいい見た目から高い人気を誇りますが、顕性遺伝により耳の軟骨の形が普通の猫と異なることが原因で生まれます。垂れ耳の猫同士を交配させることにより、骨軟骨異形成症という遺伝子の病気を持つ確率が高まるため、垂れ耳同士の交配は問題視されています。
垂れ耳の猫は、骨の異常が発生しやすいだけでなく、耳の病気にもかかりやすいため注意が必要です。垂れ耳の猫を飼うときは責任を持ち、定期的なケアをしてあげましょう。
KEYWORDS
«前の記事へ
次の記事へ»
人気記事POPULAR
新着記事NEW ARRIVAL
KEY WORDS
垂れた耳が愛らしいスコティッシュフォールドは、近年人気の猫種です。猫を飼うなら垂れ耳の猫がいいと思っている方もいるでしょう。
しかし、垂れ耳の猫には病気のリスクや飼う際の注意点が存在します。当記事では、垂れ耳猫の特徴やかかりやすい病気について解説するため、垂れ耳の猫を家族として迎えようと思っている方はぜひご覧ください。動物を飼うのであれば特徴を知り、家族として猫が健康に暮らせるように心がけることが大切です。
目次
1.垂れ耳の猫の特徴は?
スコティッシュフォールドは、垂れた耳が特徴的な猫種です。耳の垂れ方は個体によって異なり、垂れる度合によって以下の3種類に分けられます。
なお、すべてのスコティッシュフォールドが垂れ耳なのではありません。中には立ち耳タイプの個体もいます。
1-1.垂れ耳猫の歴史
スコティッシュフォールドのルーツは、1961年にスコットランドの農場で生まれた「スージー」という猫です。スージーは耳が垂れており、スージーが生んだ猫も同じように垂れ耳だったことから、垂れ耳は遺伝すると判明しました。
垂れ耳を持った猫を品種として固定するプロジェクトの過程で、垂れ耳が顕性遺伝(優性遺伝)であることが分かります。顕性遺伝とは、両親から対立する性質を受け継いだとき、片方の形質のみがより強く表れる遺伝様式のことです。反対に、一方の性質に隠れて表出しにくい形質を持つ遺伝様式を潜性遺伝(劣性遺伝)と言います。
垂れ耳は顕性遺伝であり、立ち耳は潜性遺伝です。そのため、両親から「垂れ耳」と「立ち耳」の遺伝子を受け継いだ子には「垂れ耳」が出やすくなります。垂れ耳同士をかけあわせれば、垂れ耳の出現率はより上がります。
ただし、垂れ耳はそもそも耳の軟骨の形成不全であり、遺伝子疾患です。垂れ耳同士で交配することで、重篤な骨の異常を持って生まれるリスクも高まるため、他の猫種との交配が推奨されています。アメリカンショートヘアやブリティッシュショートヘア、エキゾチックショートヘアなどとの交配が進められるうちに、現在のスコティッシュフォールドが生まれました。
1-2.垂れ耳猫の問題点
スコティッシュフォールドのチャームポイントとなっている垂れ耳は、骨軟骨異形成症による耳の軟骨の形成不全によるものです。骨軟骨異形成症は骨や軟骨に異常が起こる病気で、耳の軟骨が硬くなって垂れることにより垂れ耳の猫となります。
立ち耳のスコティッシュフォールドの場合は、骨軟骨異形成症にならないか、発症しても軽度ですむ傾向があります。
一般に、立ち耳よりも垂れ耳のほうが見た目がかわいいとされ人気なため、垂れ耳が生まれやすくなるよう、垂れ耳同士で交配するブリーダーもいます。しかし、垂れ耳の猫同士の交配は重篤な疾患を持って生まれるリスクも高まります。故意に先天的疾患を持った個体を繁殖させることは近年問題視されているため、今後の状況次第では垂れ耳のスコティッシュフォールドがいなくなるかもしれません。
2.垂れ耳の猫がかかりやすい病気
垂れ耳の猫は、一般的な立ち耳の猫に比べてかかりやすい病気があります。垂れ耳のスコティッシュフォールドを飼う場合は、どのような病気を発症するリスクがあるのかを知っておきましょう。愛猫が健やかに過ごせるように、症状や治療法を理解しておくことが大切です。
2-1.骨軟骨異形成症
スコティッシュフォールドの大きな特徴と言える垂れ耳は、遺伝性疾患である骨軟骨異形成症から来ているものです。骨軟骨異形成症が進行すると、ほかの症状が出る可能性があります。
骨軟骨異形成症の主な症状は、「足首や手首の関節にこぶができて動かしづらくなる」「尾椎(しっぽの骨)が変形する」「関節炎による痛み」などです。骨軟骨異形成症は進行していく病気のため、年を重ねるごとにこぶも大きくなる可能性があります。
完治することはなく、治療方法は鎮痛剤で痛みを抑える対症療法がメインです。重度の場合は、放射線療法や外科手術を行う場合もあります。飼い主は愛猫の様子を観察し、歩き方がおかしくなっている、手足を痛がるなどの異常が見られたらすみやかにかかりつけの動物病院に相談することが大切です。
2-2.外耳炎
垂れ耳の場合、外耳炎も発症しやすい病気です。耳は大きく外耳と内耳とに分かれ、間に鼓膜があります。外耳炎は外耳の部分に炎症を起す病気で、主な発症原因は以下の2つです。
スコティッシュフォールドの垂れ耳は、耳垢が外に排出されづらい上、湿気もこもりやすくなり、雑菌が繁殖しやすい環境です。日頃から愛猫の耳を観察して臭いや汚れがないかチェックし、病気の早期発見に努めましょう。
愛猫の耳が濡れているときや汚れているときは、コットンなどの柔らかいもので耳の入り口をそっと拭き取ります。耳掃除をしても汚れが見られるときは、早めに病院で検査を受けることが大切です。
外耳炎になると、耳に痒みや痛み・違和感が生じ、しきりに掻いたり頭を振ったりするようになります。病院では、耳道を掃除して綺麗にし、点耳薬を投与する治療法が一般的です。
3.垂れ耳の猫は飼いやすい?
スコティッシュフォールドは、穏やかで飼いやすい性格だと言われています。とはいえ、ほかの猫種に比べてかかりやすい病気があるため、その点は注意が必要です。お迎えすると決めたら、たとえ何があっても最後まで責任を持って飼育する覚悟を持ちましょう。
ここでは、スコティッシュフォールドのサイズや性格について解説します。
3-1.スコティッシュフォールドの大きさ
スコティッシュフォールドの成猫の体長はおよそ60cmほどで、メスよりオスのほうが大きくなる傾向があります。体重はメスが3~5kg、オスが3~6kgほどです。スコティッシュフォールドは手足が短めで丸みのある愛らしい体型をしているため小さく見られがちですが、猫としては平均的なサイズをしています。
生まれたときの体重は、わずか100gほどですが、健康に育てば生後3か月ほどで1kgを超え、半年で2.5kgほどになります。もし太り気味だと感じたら、たくさん遊んで運動させるなどの対策をとってあげましょう。
3-2.スコティッシュフォールドの性格
猫は気ままで自由に動き回る動物というイメージを持つ人も多いでしょう。スコティッシュフォールドは、どちらかというと猫の一般的なイメージからは外れています。性格は穏やかでおとなしく、運動量も少ないため、激しく動き回ることはあまりありません。
甘えん坊で飼い主の姿を見かければすり寄っていったり、後をついて歩いたりと、いつも一緒にいたがる傾向があります。協調性や順応性が高く愛情深いため、人間の赤ちゃんや子どもとも仲良く過ごせます。多頭飼いをしても、ほかの猫とけんかせずうまく暮らせることが多いでしょう。
性格的にも飼いやすい猫種ですが、運動をあまりしないため太りやすい点には注意が必要です。
まとめ
スコティッシュフォールドに代表される垂れ耳の猫は、かわいい見た目から高い人気を誇りますが、顕性遺伝により耳の軟骨の形が普通の猫と異なることが原因で生まれます。垂れ耳の猫同士を交配させることにより、骨軟骨異形成症という遺伝子の病気を持つ確率が高まるため、垂れ耳同士の交配は問題視されています。
垂れ耳の猫は、骨の異常が発生しやすいだけでなく、耳の病気にもかかりやすいため注意が必要です。垂れ耳の猫を飼うときは責任を持ち、定期的なケアをしてあげましょう。
KEYWORDS
«前の記事へ
次の記事へ»