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やせ細り毛並みの乱れた野良猫や、お世話がなければ生きていくことができない子猫を見つけたら、その命を放っておくことはできません。しかしながら、「助けたい!」という気持ちだけで安易に保護することは、猫の幸せな暮らしにつながらないこともあります。では、保護が必要な野良猫を見つけたらどのように対応すればよいのでしょうか。
今回は、野良猫を適切に保護する方法と、保護の前後に注意すべき点について解説します。猫が安心して暮らせる環境を用意するためにも、捕獲の流れやその後の対応について理解しておきましょう。
目次
野良猫を保護したいと思ったら、まずは猫を捕獲することになります。しかし、助けたい気持ちに駆られ、何も準備せずに焦って捕獲することだけは避けましょう。猫に過剰なストレスを与えるだけでなく、思わぬトラブルや被害発生につながることもあります。
ここでは、野良猫を保護する前に確認すべきことと、安全に捕獲するための流れについて解説します。
野良猫だと思う猫を発見しても慌てて保護するのではなく、まずは本当に保護が必要かどうかを確認しましょう。
野良猫だと思っても飼い主がいたり、地域で保護されている猫である可能性もあります。一人ぼっちの子猫だと思っていたら近くに親猫がいることもあるでしょう。迷い猫の場合は必死で探している飼い主がいるはずなので、SNSで迷い猫の情報がないかチェックしたり、保健所や警察署に問い合わせをして確認しましょう。
保護が必要だと判断した場合は、捕獲の準備をしっかりと整えましょう。実際に猫を捕まえるための準備、猫を捕獲した後の保護環境の準備が必要です。捕獲の際には、以下の道具などをそろえておくとよいでしょう。
【捕獲のために準備する道具など】
野良猫は基本的に人なれしていない場合が多いため、捕獲の前には餌付けをして猫の警戒心を解いておくことをおすすめします。
いよいよ猫を捕獲するタイミングになれば、予期せぬトラブルが起きても慌てないよう捕獲の流れをイメージしておくことが大事です。警戒されないよう、数日かけてゆっくりと実行しましょう。
【捕獲の流れ】
捕獲器を設置する場所は、人通りが少なく直射日光が当たらない日陰が適切です。また、捕獲器をすぐに開けるとせっかく捕獲した猫が逃げ出す可能性があるので、落ち着かせてからキャリーケースに移して自宅や病院に運びましょう。
捕獲した後はできるだけ早く動物病院に連れていきましょう。受診料は原則として自己負担です。健康状態の確認まで含めて、保護する者の責任と考えましょう。
動物病院でかかる医療費は、ウイルスや寄生虫の有無を確認する健康診断であれば5,000円~15,000円、ノミダニの駆除や不妊・去勢手術の費用まで負担する場合は15,000円~30,000円程度が相場です。不妊去勢手術の費用を助成する支援事業を行っている自治体や保護団体もあるため、必要であれば調べてみてください。
保護したばかりの野良猫は、人間に対して警戒心をむき出しにしています。激しく興奮していることもあるでしょう。一時的に自宅で保護する場合も、そのまま飼おうと考えている場合も、猫が安心して過ごせる環境を整えてあげることが大切です。
ここでは、野良猫を保護した後の注意点について解説します。
保護した野良猫は、お風呂に入れて臭いや汚れを落としてあげたくなりますが、そもそも猫は水が苦手な生き物です。清潔な環境で飼育していれば、日常的な汚れは猫自身がなめてキレイにするため、無理にお風呂に入れる必要はありません。
お風呂に入っても大丈夫だと判断した場合も、以下のポイントに気をつけて慎重に行いましょう。
【お風呂に入れるときのポイント】
野良猫を飼うことになったら、重要になるのがトイレのしつけです。しつけをしなくても排泄できるようになるケースもありますが、野良猫の場合はトイレの習慣がつきにくいこともあります。失敗しても怒らず、ゆっくりと進めるようにしましょう。
【トイレのしつけのポイント】
保護した野良猫が子猫の場合、食べ物と寝床には特に気を使う必要があります。離乳前の子猫の場合、猫用のミルクは少量ずつを頻繁に飲ませるようにしましょう。離乳食を食べられる場合は、子猫用のドライフードをぬるま湯でふやかして与えます。
また、子猫は体温調節機能が未発達であり、少しの寒暖の差でも体調を崩してしまうことがあります。寝床にはタオルや毛布を重ね、さらに湯たんぽやカイロを置いて温かくしてあげましょう。
自宅ですでに猫を飼っている場合、保護した野良猫との対面は注意が必要です。感染症のウイルスや寄生虫を持っている可能性があるため、動物病院で検査して許可が出るまでは、部屋を隔離するなどして先住猫と対面させないようにしましょう。
また、野良猫を触った手でそのまま先住猫のお世話をすると、病気をうつしてしまう可能性があります。先住猫の健康を守るためにも、使い捨ての手袋やペット用の除菌剤を使うなど慎重な対応を心がけましょう。
野良猫を一時的に保護したものの、先住猫との相性がどうしても合わなかったり、マンションの規約で複数の飼育を禁止されていたりと飼育の環境が整わないこともあるでしょう。知り合いや地域住民に声をかけ、飼ってもらうことができれば安心ですが、もし新しい飼い主が見つからない場合は、以下のような方法で里親を探しましょう。
・動物病院に相談
動物病院は、里親探しの心強い味方になるため、困ったときには相談してみましょう。病院内に里親募集の掲示をしてくれたり、募集を見た利用者が知り合いに声をかけてくれたりすることもあります。一時的に保護する期間の飼育についてアドバイスをもらえることもあるため、協力を依頼してみるとよいでしょう。
・譲渡会への参加
譲渡会は、動物保護センターやボランティア団体が開催する保護猫と里親をつなぐための取り組みでありながら、一般の人でも参加できることがあります。インターネットで検索すれば、地域の譲渡会についての詳細を確認することができるので、里親探しに利用できるかどうかを問い合わせてみましょう。
・里親募集サイトを利用
インターネット上にはさまざまな里親募集サイトがあり、里親を見つけたい・里親になりたい個人同士が利用できるマッチングサイトも多数存在します。ただし、保護団体などを通さないやりとりになるため、引き取られた先で猫が安全に安心して暮らせる環境かどうか見極める対応が必要になります。
募集サイトの利用規約に沿って必要な手続きを踏み、面談や訪問などで飼育環境の確認をしましょう。可能であれば「トライアル期間」を設け、お試し飼育をしてから譲渡を行うと、より安心して引き渡すことができます。
・動物愛護団体に相談
民間の動物愛護団体では、身寄りのない猫を引き取り、新しい里親につなぐ活動をしている団体がたくさんあります。活動の規模によって引き取ってもらえない場合も、団体同士のつながりを利用して里親探しに協力してもらえることがあります。普段から保護活動を行っている団体なので、素人では見落としがちなポイントについてアドバイスをくれることもあるでしょう。
一人ぼっちの野良猫を見つけたら、思わず保護したくなってしまうでしょう。しかし、野良猫の保護には大変な労力がかかるため、必要な準備を整え、知識を身につけた上で覚悟をもって保護しなければなりません。また、保護した野良猫を自分で飼うことができない場合は、猫が天寿をまっとうするまで安心して暮らせる新しい環境を与えてあげることが保護した者の責務です。
アニマルラインはブリーダーや里親を探している人のマッチングをサポートしています。身寄りのない動物と里親をつなぎ、幸せな暮らしを応援する活動を続けていきます。
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やせ細り毛並みの乱れた野良猫や、お世話がなければ生きていくことができない子猫を見つけたら、その命を放っておくことはできません。しかしながら、「助けたい!」という気持ちだけで安易に保護することは、猫の幸せな暮らしにつながらないこともあります。では、保護が必要な野良猫を見つけたらどのように対応すればよいのでしょうか。
今回は、野良猫を適切に保護する方法と、保護の前後に注意すべき点について解説します。猫が安心して暮らせる環境を用意するためにも、捕獲の流れやその後の対応について理解しておきましょう。
目次
1.野良猫を保護したいと思ったら?捕獲するときの流れ
野良猫を保護したいと思ったら、まずは猫を捕獲することになります。しかし、助けたい気持ちに駆られ、何も準備せずに焦って捕獲することだけは避けましょう。猫に過剰なストレスを与えるだけでなく、思わぬトラブルや被害発生につながることもあります。
ここでは、野良猫を保護する前に確認すべきことと、安全に捕獲するための流れについて解説します。
1-1.本当に保護が必要な猫か確かめる
野良猫だと思う猫を発見しても慌てて保護するのではなく、まずは本当に保護が必要かどうかを確認しましょう。
野良猫だと思っても飼い主がいたり、地域で保護されている猫である可能性もあります。一人ぼっちの子猫だと思っていたら近くに親猫がいることもあるでしょう。迷い猫の場合は必死で探している飼い主がいるはずなので、SNSで迷い猫の情報がないかチェックしたり、保健所や警察署に問い合わせをして確認しましょう。
1-2.野良猫を捕獲する準備を整える
保護が必要だと判断した場合は、捕獲の準備をしっかりと整えましょう。実際に猫を捕まえるための準備、猫を捕獲した後の保護環境の準備が必要です。捕獲の際には、以下の道具などをそろえておくとよいでしょう。
【捕獲のために準備する道具など】
野良猫は基本的に人なれしていない場合が多いため、捕獲の前には餌付けをして猫の警戒心を解いておくことをおすすめします。
1-3.猫を捕獲する
いよいよ猫を捕獲するタイミングになれば、予期せぬトラブルが起きても慌てないよう捕獲の流れをイメージしておくことが大事です。警戒されないよう、数日かけてゆっくりと実行しましょう。
【捕獲の流れ】
捕獲器を設置する場所は、人通りが少なく直射日光が当たらない日陰が適切です。また、捕獲器をすぐに開けるとせっかく捕獲した猫が逃げ出す可能性があるので、落ち着かせてからキャリーケースに移して自宅や病院に運びましょう。
1-4.病院につれていく
捕獲した後はできるだけ早く動物病院に連れていきましょう。受診料は原則として自己負担です。健康状態の確認まで含めて、保護する者の責任と考えましょう。
動物病院でかかる医療費は、ウイルスや寄生虫の有無を確認する健康診断であれば5,000円~15,000円、ノミダニの駆除や不妊・去勢手術の費用まで負担する場合は15,000円~30,000円程度が相場です。不妊去勢手術の費用を助成する支援事業を行っている自治体や保護団体もあるため、必要であれば調べてみてください。
2.野良猫を保護するときの注意点
保護したばかりの野良猫は、人間に対して警戒心をむき出しにしています。激しく興奮していることもあるでしょう。一時的に自宅で保護する場合も、そのまま飼おうと考えている場合も、猫が安心して過ごせる環境を整えてあげることが大切です。
ここでは、野良猫を保護した後の注意点について解説します。
2-1.お風呂には無理に入れない
保護した野良猫は、お風呂に入れて臭いや汚れを落としてあげたくなりますが、そもそも猫は水が苦手な生き物です。清潔な環境で飼育していれば、日常的な汚れは猫自身がなめてキレイにするため、無理にお風呂に入れる必要はありません。
お風呂に入っても大丈夫だと判断した場合も、以下のポイントに気をつけて慎重に行いましょう。
【お風呂に入れるときのポイント】
2-2.しつけはゆっくり行う
野良猫を飼うことになったら、重要になるのがトイレのしつけです。しつけをしなくても排泄できるようになるケースもありますが、野良猫の場合はトイレの習慣がつきにくいこともあります。失敗しても怒らず、ゆっくりと進めるようにしましょう。
【トイレのしつけのポイント】
2-3.子猫の場合、食べ物や寝床に気を使う
保護した野良猫が子猫の場合、食べ物と寝床には特に気を使う必要があります。離乳前の子猫の場合、猫用のミルクは少量ずつを頻繁に飲ませるようにしましょう。離乳食を食べられる場合は、子猫用のドライフードをぬるま湯でふやかして与えます。
また、子猫は体温調節機能が未発達であり、少しの寒暖の差でも体調を崩してしまうことがあります。寝床にはタオルや毛布を重ね、さらに湯たんぽやカイロを置いて温かくしてあげましょう。
2-4.先住猫がいる場合、しばらくは隔離しておく
自宅ですでに猫を飼っている場合、保護した野良猫との対面は注意が必要です。感染症のウイルスや寄生虫を持っている可能性があるため、動物病院で検査して許可が出るまでは、部屋を隔離するなどして先住猫と対面させないようにしましょう。
また、野良猫を触った手でそのまま先住猫のお世話をすると、病気をうつしてしまう可能性があります。先住猫の健康を守るためにも、使い捨ての手袋やペット用の除菌剤を使うなど慎重な対応を心がけましょう。
3.保護した野良猫が飼えないときは?
野良猫を一時的に保護したものの、先住猫との相性がどうしても合わなかったり、マンションの規約で複数の飼育を禁止されていたりと飼育の環境が整わないこともあるでしょう。知り合いや地域住民に声をかけ、飼ってもらうことができれば安心ですが、もし新しい飼い主が見つからない場合は、以下のような方法で里親を探しましょう。
・動物病院に相談
動物病院は、里親探しの心強い味方になるため、困ったときには相談してみましょう。病院内に里親募集の掲示をしてくれたり、募集を見た利用者が知り合いに声をかけてくれたりすることもあります。一時的に保護する期間の飼育についてアドバイスをもらえることもあるため、協力を依頼してみるとよいでしょう。
・譲渡会への参加
譲渡会は、動物保護センターやボランティア団体が開催する保護猫と里親をつなぐための取り組みでありながら、一般の人でも参加できることがあります。インターネットで検索すれば、地域の譲渡会についての詳細を確認することができるので、里親探しに利用できるかどうかを問い合わせてみましょう。
・里親募集サイトを利用
インターネット上にはさまざまな里親募集サイトがあり、里親を見つけたい・里親になりたい個人同士が利用できるマッチングサイトも多数存在します。ただし、保護団体などを通さないやりとりになるため、引き取られた先で猫が安全に安心して暮らせる環境かどうか見極める対応が必要になります。
募集サイトの利用規約に沿って必要な手続きを踏み、面談や訪問などで飼育環境の確認をしましょう。可能であれば「トライアル期間」を設け、お試し飼育をしてから譲渡を行うと、より安心して引き渡すことができます。
・動物愛護団体に相談
民間の動物愛護団体では、身寄りのない猫を引き取り、新しい里親につなぐ活動をしている団体がたくさんあります。活動の規模によって引き取ってもらえない場合も、団体同士のつながりを利用して里親探しに協力してもらえることがあります。普段から保護活動を行っている団体なので、素人では見落としがちなポイントについてアドバイスをくれることもあるでしょう。
まとめ
一人ぼっちの野良猫を見つけたら、思わず保護したくなってしまうでしょう。しかし、野良猫の保護には大変な労力がかかるため、必要な準備を整え、知識を身につけた上で覚悟をもって保護しなければなりません。また、保護した野良猫を自分で飼うことができない場合は、猫が天寿をまっとうするまで安心して暮らせる新しい環境を与えてあげることが保護した者の責務です。
アニマルラインはブリーダーや里親を探している人のマッチングをサポートしています。身寄りのない動物と里親をつなぎ、幸せな暮らしを応援する活動を続けていきます。
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