猫の性格は？性格が決まる要因と猫の気持ちを知る方法を解説

猫を初めてお迎えする方の場合、できるだけ飼いやすい性格の子をお迎えしたいと思う人も多いでしょう。猫の性格は、遺伝や環境、性別や毛色など、複数の要因によって形成されると言われています。

この記事では、猫の性格を決める要因と、猫の気持ちを判断できるポイントについて紹介します。猫の性格に関してある程度の傾向を把握し、お迎えをする際の参考にしたい方や、愛猫の気持ちをうまく汲み取ってコミュニケーションを取りたい方は、ぜひご一読ください。

猫の性格には個体差があり、甘えん坊な子もいれば、気が強い子や臆病な子など、違いはさまざまです。猫の性格を決めるのは1つの要因ではなく、親の遺伝子やこれまで育ってきた環境など、複数の要因が関係しているとされています。

ここでは、猫の性格を決める要因を5つ紹介しますので、猫の飼育を考えている方はぜひ参考にしてください。

猫の性格は、育つ環境によっても変化しますが、環境よりも親からの遺伝が性格を決める上で重要な役割を持つと言われています。

猫の場合、性格は母猫よりも父猫に似る傾向があります。父猫がおっとりしたタイプであれば、子猫たちも穏やかな性格になり、リーダー気質の父猫であれば、気が強い性格の子猫が生まれるでしょう。

また猫は、血統の種類によっても性格に違いが現れ、ブリーダーの元で人懐っこい性格の子が生まれるようにブリーディングされた子猫は、人に懐きやすくなります。純血種のラグドールやメインクーンなどの長毛猫種は、おっとりした性格になり、アメリカンショートヘアなどの短毛の品種は、運動神経が良く活発な性格の猫が多いと言われています。

妊娠中の母猫の状態も、猫の性格に影響を及ぼす要因の1つです。妊娠中に母猫が過度なストレスを抱えると、生まれてくる猫は人に慣れず、攻撃性の高い性格になるとされています。

また母猫の妊娠期間中に、低タンパクの食事を与えたり食事量を減らしたりすると、子猫の行動力や学習能力は低下し、協調性がなく、極度の怖がりになるとも言われています。母猫の影響を受けて、子猫の性格が決まってしまうため、妊娠中の母猫と子猫は一心同体と言えるでしょう。

猫の性格は、オス猫とメス猫ではあまり大差ないとされていますが、多少の違いはあります。オス猫は、好奇心旺盛で人懐っこく、いつまでも子猫のような無邪気さがある点が特徴です。飼い主のひざの上に乗ってきたり、一緒に寝たりする猫もおり、飼い主への愛情表現がストレートな猫が多いと言われています。オス猫の中には、縄張り意識が強く、行動範囲が広い猫もいますが、縄張りの外では臆病になる猫もいます。

メス猫は、オス猫と比べて自立心が高く、飼い主がいないことが原因の問題行動を起こしにくいでしょう。また、ゆったりのんびりとしたマイペースな猫が多い点も特徴の1つです。メス猫は母性本能が強く、小さい子どもとの生活や、猫の多頭飼いにもトラブルが少ないと言われています。

猫の飼育環境や飼い主自身の性格も猫の性格に影響を及ぼします。特に、猫の性格に1番影響を与える時期は、生後2週〜7週齢頃の「社会化期」です。

社会化期に他の猫と接触したり、多くの人と触れあったりなどさまざまな経験をすると、穏やかで友好的な性格に育ちます。反対に、社会化期に何も経験しないまま大人になると、臆病で神経質な猫に成長するでしょう。

また、成猫になってからの家庭環境も猫の性格に影響するとされています。例えば、飼い主が仕事などでよく家を空ける場合は、寂しい思いをしている分、猫は甘えん坊な性格になる傾向にあります。

さらに、飼い主の性格によっても、猫の性格に違いが現れやすいです。飼い主が怒りっぽいといった精神的に不安定だと、猫も精神的に不安定になりやすく、攻撃的になったり、マーキングなどの問題行動を起こしたりします。

猫は、毛色や毛柄によって性格が異なり、温厚でフレンドリーな性格が多いとされている茶トラ猫は、猫を初めてペットとして迎える方でも、比較的飼いやすいでしょう。反対に、白猫は、野生だと目立ちやすい色をしている、賢く慎重な面があり、飼い主と程よい距離で接する猫が多いとされています。また、白猫と同じ単色の黒猫は、好奇心旺盛で甘えん坊な性格をしています。

白・黒・茶の3色の毛色模様を持つ三毛猫は、マイペースでわがままな性格の子が多いです。人の好き嫌いもはっきりしており、お姫様のような性格だとも言われています。また、黒と茶色が混ざり合ったサビ猫は、賢くやや臆病な面があります。

猫の性格を知るためには、今どのような気持ちなのかを知ることも大切です。猫の気持ちを読み解くには、猫の喜怒哀楽によって変化するしぐさや行動を知る必要があります。

ここでは、猫の気持ちを見極めるために、注目すべきポイントを紹介します。愛猫の気持ちをうまく汲み取りたいと考えている方は、ぜひ知識を深めていってください。

猫のしっぽは、バランスを保つこととコミュニケーションを取ることの2つの役割があります。猫のしっぽは、「尾椎」と呼ばれる短い骨が連なり、周りが筋肉で覆われているため、くねらせたり、振るわせたりと自由に動かすことが可能です。

しっぽから分かる猫の気持ちを一部紹介します。

日々の生活の中で、猫の何気ないしぐさには、さまざまな気持ちが表れています。例えば、ゆっくりまばたきをしたり、身体をこすり付けたりするしぐさは、飼い主への愛情表現です。お腹を見せる行為や、足を崩して寝転ぶのは、猫がリラックスしているときに見せるしぐさです。

愛情表現だけでなく、怒りや恐怖心も普段のしぐさから判断できるので、そういった感情を表しているしぐさを知っておきましょう。猫が毛づくろいしているときは、不安を感じ、自分を落ちつかせようとしている可能性があります。過剰に毛づくろいをしているときは注意が必要です。また、耳を倒して全身の毛を逆立てているときは、威嚇のサインです。猫の何気ないしぐさを見逃さず、気持ちを汲み取ってあげましょう。

犬は、犬同士のコミュニケーションに鳴き声を使いますが、猫の場合は、猫同士のコミュニケーションに鳴き声はほとんど使用しません。猫が鳴き声を出すのは、飼い主と意思疎通を図るためだと言われています。

猫が「にゃーーー」と長い鳴き声を出すときは、何らかの要求を飼い主に伝えています。反対に短く鳴くときは、喜びを表現し、飼い主に甘えているサインです。また、「ケケケッ」や「カカカッ」と鳴くことがあり、この鳴き声はクラッキングと呼ばれます。狩猟本能の影響で、獲物を狙っているときにクラッキングをすることがあるでしょう。さらに、「シャー」や「フゥー」という鳴き声は、警戒心や威嚇を表しています。

猫の性格は一概には言えず、さまざまな要因によって変わると言われています。例えば、親からの遺伝や性別・毛色、飼育環境や飼い主の性格などが、生まれてくる子猫や成猫の性格に影響してきます。

愛猫の気持ちをうまく汲み取りたいと考えている方は、猫のしっぽの動きやしぐさ、鳴き声などを参考にするとよいでしょう。日々の何気ない行動を見逃さないことで、猫の性格や関わり方について、より深く理解できることにつながります。